30代でリゾートバイト「仲居」を初体験した私がその裏話や体験談打ち明けます!意外と知られていないお金のこと・出会いのこと

リゾバ「仲居」によくある話:お金・出会い・人にはあまり聞けないこと

リゾバ「仲居」によくある話:お金・出会い・人にはあまり聞けないこと

「旅館」には決定的に「ホテル」とは異なった独特の雰囲気や文化があります。最近は風情ある和室のホテルも増えてきていますが、その違いは見た目ではなく「生活様式」にあります。

「ホテル」には欧米の生活様式が採用されています。ホテル内は靴のまま歩き、反対にルームウェアのままロビーに降りてくることはできません。また客室は完全なプライベート空間で、ホテルスタッフはゲストからの許可がない限り入室できません。

対する「旅館」には日本の生活様式が採用されています。館内では履物を脱ぎ、浴衣で歩くことができますし、仲居さんが客室に料理を運んだり、布団を敷いたりと、ゲストの寝室を出入りします。欧米と日本の文化習慣の違いが、そのまま反映されているのです。

旅館独特の文化:お心付け

有名な観光地にある旅館や歴史ある老舗旅館などには伝統的な「お心付け」の風習があります。

お心付けとは、お世話になる方に感謝の意を示すためにお渡しする「お金」のことを意味します。海外にも「チップ」と呼ばれるよく似た風習がありますが、チップは「当然の権利」、お心付けは「気持ち」というような認識の違いがあります。「気持ち」とはつまり「任意」になりますから、裸銭で受け取るチップとは違い、お金は包んで、あるいは隠すように手を添えて受け渡されます。

仲居は担当する客室に宿泊をされるお客様の身の回りのお世話をさせて頂くお仕事です。手荷物をお部屋までお運びするところから始まり、お食事やお休みの準備・お片付けなど、快適に過ごして頂くためのお手伝い・お持て成しをいたします。そしてそのひとつひとつの仕事に「真心」を込めます。同じ花瓶の水の交換でも、ただ機械的に作業をするのと「お客様に喜んで頂けるように」と気持ちを込めてするのとではまるで違ってきます。「お心付け」はこの「真心」の部分に支払われると言って良いかも知れません。私たちのサービスにお客様が満足し、感動してくれた形なのです。

ちなみに、旅館の宿泊料金には「サービス料」というものが上乗せされており、旅館本来の「お持て成し」のサービスは全てこの「サービス料」に含まれています。「お心付け」は、この「サービス料」とは別に、旅館ではなく「仲居さんに」お渡ししたいときに限ります。

現在、仲居はこの「お心付け」を絶対に受け取とらないようにと教育・指導する旅館も多くあるそうですが、私の派遣された旅館は、「一度お断りをしてそれでもどうしてもというお客様からは」全て感謝して受け取るという方針でした。ただし、それでも旅館によってはお店の売り上げになったりマネージャーに渡して従業員の休憩中の差し入れになったりと行き先は様々です。

お心付けを頂くタイミングは様々ですが多くは夜の「宴会場」です。ほとんどの旅館が宴会場への飲み物の持ち込みを基本的に禁止していますが、中には接待やお祝いなどで特別なお酒をお持ちになっている方もいらっしゃいます。そういった方からは別途「持ち込み料」を頂くことになっているのですが、大抵の場合「おめでたい席ですので」とお支払いをご遠慮頂きます。その際に「大目に見てくれてありがとう」「サービスしてくれてありがとう」とお心付けをお渡しになる方が多いのです。

また、一度客室に入ったのに「窓からの眺めが気に入らない」という理由で部屋を移動したり、畳を汚してしまった・障子を破いてしまったなどの誤った事態に対する「お詫び」として頂くこともあります。稀にお部屋へご案内をして自己紹介をした後に「これからお世話になります」と言って頂くこともありました。

気になる中身ですが、私の場合は一度に1000円~3000円くらい頂いていました。時々海外からのお客様でウェイター経験のある方なんかはチップ感覚で1万円、なんていうこともあるようです。3ヶ月間働いて、お心付けだけで12~13万円くらいになることもありましたが、これは金額的にかなり大きい数字かと思います。

まとめ:お心付けとは
感謝の気持ちを示すために渡すお金のこと
金額は1000円~3000円くらい
3ヶ月で12~13万円になることもある

素敵な出会いやロマンスはある?

仲居の仕事は想像以上に「会話」や「気持ち」のやり取りが重要な接客業です。「お客様とのコミュニケーション」が全てであると言っても過言ではありません。旅館にチェックインしたお客様をお部屋にご案内するという仕事ひとつ取っても、マニュアルに沿った自己紹介や館内の説明だけでなく、世間話をしたりお客様のお話を聴くことが何より大切になってきます。

夕食をお部屋に運ぶ際や宴会場などでは、お客様も旅先で大らかになっていますので、表面的な世間話ばかりでなく深い話になることも多く、その際非常に話が盛り上がり「機会があればお食事でも」と言われるようなケースは少なくありません。私の場合、そのほとんどが「社交辞令」のようなものでしたが、中にはロマンスに発展したり、実際にデートに行かれるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?その気さえあれば素敵な出会いやロマンスのチャンスはたくさんあります。

また有名な観光地にある高級旅館や老舗旅館には芸能人や有名人が宿泊することも多く、運が良ければご挨拶をしたりお話をしたりできることもあります。

参考までに、私は3ヶ月で4~5人の芸能人にお会いしました。タレントの方だったりミュージシャンだったりと様々ですが、皆さんテレビで拝見するより細身でお若くてビックリします。

まとめ:素敵な出会いやロマンスは
その気があればチャンスはたくさんある
芸能人や有名人に会える

女将さんは怖い?

ある老舗旅館が舞台となった映画やテレビドラマなどでは、「怖い女将さんにいじめられる仲居さん」がヒロインだったり、あるいは仲居さん同士の「女の縦社会」などが題材として描かれることが多いかと思います。そのため「旅館の仲居」と聞くと「いじめはないだろうか?」「女将さんは怖い人でないか?」等ご心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか?

リゾートバイトの「仲居」は基本的には女将さんではなく「姉さん」と呼ばれる「先輩仲居」に仕事を教わります。姉さんは「正社員」として通年住み込みで働いているベテランで、毎年リゾートバイターの指導をされているという方も多く大変頼りになります。決して「怖い」とか「厳しい上司」という訳ではなく、それこそ本当の「姉さん」のようなアットホームな雰囲気で、「ほら、笑顔笑顔!」「さぁ、もっと声出して!」など、私たちが「失敗なく良い接客ができるように」という優しさ、元気付けよう励まそうとしてくれているのが伝わってくるような温かい指導をして下さいます。

旅館によってはこの「姉さん」たちが普段使っている住み込み寮を相部屋としてリゾートバイターに提供しているような現場もあり、そうなると本当に家族であり姉妹のような存在になりますので、別れるのが本当に辛く離れがたいと思います。

まとめ:女将さんは怖い?
仕事の指導は女将ではなく先輩仲居の「姉さん」
姉さんは怖い人ではなく家族のような存在

一緒に働く仲間

仲居の仕事を共にする登録スタッフは、休暇を利用して趣味活動と両立しながらリゾートバイトを楽しむというスタンスの方よりも、どちらかと言えばスキルを磨く・身に付けるため、あるいはまとまったお金を目的とされる方の方が多いように思います。

特に30代で仲居の仕事をされている方の中には、行く行くは小料理店やご自分のお店を持つのを目的に、その資金を貯めるためと接客業務のノウハウを学ぶためにリゾートバイトを利用している方も少なくありません。

中でも私が最も親しくしていた35歳の女性K・Nさんは、仲居という仕事に対するプロ意識がとても高く、また半年間で約250万円もの貯金をしていました。この調子で500万円まで貯まれば地元に戻ってご自分のお店を持つとおっしゃっていましたが、彼女なら間違いなく成功するだろうと誰もが感じていました。

ある夜同じ宴会場で彼女と一緒に接客をしていたときに、ひとりのカナダ人男性が彼女のことをとても気に入りました。この男性はニュー・ブランズウィックでトリップアドバイザーの仕事をされている方で大の親日家らしいのですが、「彼女の接客は日本を代表する」と絶賛。それくらい、彼女の接客に対する意識・スキルは高いものだったのです。

親しく話しをするうちにKさんがこの旅館で働く目的・将来自分の店を持ちたいという夢を知った男性は「是非応援したい。店には必ず行かせて欲しい」と固い約束を交わしました。Kさんの夢がまた一歩実現へ近付いた瞬間に立ち会うことができたようで、私はとても嬉しく幸せな心地でした。

まとめ:一緒に働く仲間は
スキルを磨く・身に付けることや貯金を目的とする人が多い
自分の店を持つなどの夢に有益な出会いがたくさんある

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